2017年09月20日

ウンターリンデン美術館貸切見学


コルマールの観光名所で外せないのが、ウンターリンデン美術館

パリのルーブル美術館は別格ですが、フランス地方都市にある美術館としては、
年間入場者数最多を誇る超人気美術館です。

特にここの目玉は、マティアス・グリューネヴァルト作、
イーゼルハイムの祭壇画です。

これを見るために、世界各国からたくさんの方々がこの地に訪れます。

ここ、3 年間にわたり大改装工事をしていて ( でも改装中も見学はできましたよ ) 2015 年12 月にリニューアルオープンしました

この建物はもともとは 13 世紀に二人の未亡人が設立した、ドミニコ派女子修道院だったのですが、それを改装して 1853 年に美術館として開館しました。

超人気の美術館でいつもたくさんの人でにぎわっているんですが、
今回は閉館後に我々だけの完全貸し切り見学ということで、ゆっくりと見学させていただきました

それも、いつもは英語ガイドの通訳をしながらの見学なんですが、
今回は日本人のガイドさんのフル解説付きということで、楽しみです

そんなわけで、まず入ったのが、こちらも大改装後に新設された、
マルティン・ショーンガウアーの展示室です。

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彼は 1448 年頃、コルマールの銀細工師の家に生まれ、父の工房で銀細工技術をしっかりと身につけました。

ちょうどその時のコルマールは、神聖ローマ帝国領となっていたので、
彼のことはドイツの画家と紹介されている文献が多いですね。

その後絵画を習得し、フランドル地方で初期フランドル派の美術に触れます。

当時としては生前に名声を得た数少ない画家の一人で、後続の画家たちに大きな影響を与えました。

こちらは彼の代表的な絵、受胎告知

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大天使ガブリエールがマリア様の元に降臨し、神の子を身ごもってることを伝えるという有名なシーンなんですが、
マリア様とガブリエール両者が立ったまま描かれているってのは非常に珍しいですよ。

だいたいがガブリエールはひざまずいているパターンが多いですから。

マリア様の足元に描かれている百合の花は、純潔の象徴なんだそうです。

このお隣の部屋には、彼の銅版画と原本がありました。

デューラーが師と仰ぐほど、生前から名画をたくさん書いていました。

彼の銅版画は、115 本を超える作品があります。

たくさん使われたようで、すり切れているものもありましたが、とっても細かいものでしたよ。

ではショーンガウワーの部屋を出て次のお部屋へ。

こちらは聖マルティネスの伝説にちなんだ作品です。

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聖マルティネスの伝説とは...

むかーしむかし
ある寒い冬の日に、マルチヌスというローマ軍の兵士が急な用事のために馬を走らせていました。
アミアンの城門を出た時、道端にぼろ布をまとった老人が雪に埋もれてうずくまっているではありませんか。 
 
青年騎士のマルチヌスはとても優しい心を持っていたので、そのまま立ち去ることが出来ず、なにかこの老人に与えられるものはないかと持ち物を確かめました。
しかし、とても急いで飛び出してきていたので老人を助けられるものはあいにく持ち合わせていませんでした。
 
ふと、マルチヌスは何を思い立ったのか、馬を下りて剣を抜きました。
老人は、自分が切りつけられるのではないかと恐怖におびえましたが、彼は剣を抜いたまま男に近寄ると、老人の前でマントを脱ぎ、剣を振り上げて一気に勢いよくそのマントを二つに切り裂きました。
 
やがてマルチヌスはその半分のマントで老人を包んでやり、
「 これで少しでも暖まってくれ。申し訳ないが他にないもないのだ...」
と声をかけて馬にまたがり立ち去りました。             
 
出向いた先では、騎士であるの自分が、半分に切られたマントを身に付けていると、きっとどうしたのかと人が聞いてくるだろうと思い、馬を下りるとさっさとマントを脱いで丸めてしまったので、誰もマルチヌスが半分しかないマントを身にまとってきたとは気付きませんでした。

うちに帰った夜、マルチヌスは夢を見ました。

夢の中で、あの男は天使たちを引き連れ、彼の与えたマントを羽織って、じっとこちらを見つめていました。そして天使たちに、
「 ここにいるのは、まだ洗礼を受けていないローマの兵マルチヌス、私に衣を与えた者である 」
とおっしゃられました。
なんと、あの老人はイエス・キリストだったのです。

優秀な軍人でもあったマルチヌスは、後に貴族にして生涯裕福にくらせるその立場を離れ、軍を除隊し、貧しい農村を中心にした希望と喜びのキリストの教えを説いて回る修道者として、その一生をキリストにささげたということです。

マルチヌスが持っていたほうの半分のマントは、「 聖マルチヌスのマント 」 として、フランク王国の歴代国王の礼拝堂に保管されました。


マルチヌス、フランス語でサン・マルタンは、現在フランスの守護聖人として、バジリスク・サン・マルタン・ド・トゥールに遺体が安置されています。

というわけで、後半はフランスの聖人のお話になってしまいましたが、次回はいよいよこの美術館の目玉である、マティアス・グリューネヴァルト作 「 イーゼンハイムの祭壇画 」 について書いてみましょう。


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posted by まいど! at 06:00| Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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