2016年09月15日

リンツの新しいテーマショップ


今回久々にユングフラウヨッホ展望台に行って、いろいろと見てまわったら、長らく工事していたところに新たにチョコレートで有名なリンツのちょっとしたテーマパークができていました

リンツといえば、1845 年にチューリッヒで創業したスイスの老舗チョコレートメーカーです。

2014 年 7 月に、ユングフラウヨッホ駅 2 階に、リンツ・スイス・チョコレート・ヘブンと名付けられた新しい施設がオープンし、チョコレートファンがよく立ち寄っているとか

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リンツといえば、1879 年、ベルンの薬剤師の息子で、チョコレートを作ることを夢見る少年だった、ロドルフ・リンツが作った会社です。

当時のチョコレートってものはとても硬かったため、何度も何度も噛まなければなりませんでした。

菓子職人となったロドルフ・リンツは、かねてから硬くない、まろやかなチョコレートを作りたいと思っていました。

そこで、彼は旧式な機械を備えた古い工場を購入し、チョコレートを試作

当然ベルンの人達は彼を馬鹿にしていましたが、彼は気に求めず、何度も何度も工場で試行錯誤を繰り返しました。

しかしなかなかうまいこといかず、それどころか、チョコレートの塊の上に白い層ができてしまいました。

ベルンの人たちは彼のやってることをばかばかしいと相手にしませんでした。

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そこで、父の後を継ぎ薬剤師として働いていた彼の兄弟、オーギュストが白い層を分析したところ、それが無害な結晶化した脂肪分だということが判明しました。

ロドルフはその後もカカオ豆の量を増やしたり、カカオバターを温めたり、それまで誰も試みたことのない細かい調整を行っていろいろと試す日々が続きましたが、彼が求める理想のチョコレートの完成にはまだまだほど遠いものでした

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ところが、神様のいたずらかほほ笑みか...

ある金曜日の夜、裕福な家庭で育ったボンボンとして育っていたロドルフ・リンツは、その日の仕事を投げ出し、あろうことか機械の電源を入れたまま帰宅してしまいました

急いでいたのか、敢えてそうしたのか、何かの予感がしたのか、それともちょっとした反抗的行為だったのか分かりませんが、機械は週末中ずっと稼働し続けました。

週明けの月曜日、ロドルフ・リンツは工場で目にした光景にショックを受けました

かくはん槽の中には丸焦げになったチョコレートではなく、輝きを放つ、美味しそうな匂いの、なめらかなチョコレートがありました

彼はそのチョコレートを口に入れてみましたが、その時初めて口の中でとろけるチョコレートを味わったのです。

まさに彼の理想とするものができた というわけです。

連日連夜混ぜてチョコレートを練り上げるという、今日ではコンチング法と呼ばれる製造方法を確立したわけですね

もちろん、カカオバターは必要ですが、どれくらい必要なのか、また他に何か必要な材料はないか、ロドルフはその後も考え続けました。

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以来 150 年近く、スイスそして世界各国のチョコレートメーカーは、リンツ家のレシピの秘訣を探り続けましたが、これまでにリンツチョコレートの再現に成功しているメーカーは存在しません

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ロドルフ・リンツが発明した口の中でとろけるチョコレートは、その後も改良を重ねられ、今ではリンツ社の主力製品にもなっている、丸っこいチョコレート、リンドールへと受け継がれています

1949 年にチョコレートの中になめらかにとろけるフィリングをつめた 「 リンドール 」 が世に出ました。

当時は板チョコとして販売されていたんですが、1967 年には、レシピはそのままに、クリスマスツリーを飾るクリスマス限定商品として、デザインをキュートな丸いボール形にした 「 新・リンドール 」 が発売され、瞬く間に大人気商品となりました

こうして 1969 年以来、リンドールは丸く姿を変え、現在に至っています。

現在ではバラエティーも増え、リンツのチョコレートの中でもっとも親しまれている製品として、世界 120 カ国以上で愛され続けています。

ちなみにリンドール ( LINDOR ) ってのは、リンツ ( Lindt ) とフランス語で金 ( ゴールド ) を意味する、オール ( Or ) を組み合わせてつけられた名前です

そんなリンツの歴史がちょこっと紹介されていますので、やっぱりチョコレート好きには気になるところですよね。

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簡単な展示や歴史紹介の後には、リンツチョコレートの売店があるので、やっぱり買いたくなってしまう...というか、歴史を知るととてもありがたく感じますよね。

たかがチョコレート

されどチョコレート

いろいろな国の人がいろいろな試行錯誤を繰り返して、味わい、舌触りなどを研究している...

なかなか奥の深いお菓子なんだなあとつくづく思いました。


ちょっとしたチョコレートのお話でした


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posted by まいど! at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | スイス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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