2017年06月08日

幻の生ハムを食べにきました


世界三大ハム

といえば、

スペインの ハモン・セラーノ

中国の 金華火腿

そしてここイタリアはパルマの、プロシュート・ディ・パルマ

そうです。

パルマ産の生ハム なんです。

もちろん D.O.P. に認定されていて、昔ながらの作り方で、保存料や化学製品の類は一切使ってなく、使用材料は豚肉と塩、そしてここパルマ地方の独特な空気のみなんです。

豚さんは白豚で、その後ろ脚のもも肉のところが使われます。

このハムのルーツはというと、ローマ時代までさかのぼります。

ローマ人達はローマから現在エミリア街道と呼ばれているこのあたりの道を通って北上しました。

その街道がパルマも通過していました。

当時パルマは、丘陵地が森で覆われており、低地は沼地でした。

これが豚が育つのに最適の気候で、豚は沼に入って虫から皮膚を守り、森に入っては大好きな栗やドングリの木がありました。

またパルマには良質な塩もありました。

パルマ近辺はローマ戦士達の駐屯地となり、豚を半分にしてそこで穫れる良質の塩で塩漬けにして、冬の保存食としていたと言われます。

900 年代になると、森の価値はそこに何頭の豚がいるかによって計られていました。

豚の世話をする人はポルカリ ( porcali ) と呼ばれ、現在でもこのあたりの人には、その苗字を持つ人が多いのも興味深いです。

豚は秋になると森の栗やドングリを食べ、13 世紀に入ってパルミジャーノ・レッジャーノが作られるようになると、そのチーズ作りで残ったホエー ( 乳清 ) も与えられました。

ホエーには、糖分が残っているため、豚は、良く太り、ハムを作るのに適した質の良い柔らかい肉となります

現在でもプロシュット・ディ・パルマになる豚には餌としてホエーが与えられていて、
それがプロシュート・ディ・パルマの最大の特徴になっています。

もちろん作られる地域は限定されており、パルマの南出、 東はエンツァ川、西はスティローネ川で、標高 900 m まで、そしてエミリア街道の 5 km 南までと指定されています。

それ以外のところで同じ材料を使って同じようにハムを作っても、この味わいは出せないらしいですよ。

微妙な空気の流れがこの味わいを出しているんですね。

そんなプロシュートを食べ...に行ってもいいんですが、どうせならなかなか市場には出回らない、といわれている生ハムを食べに、わざわざパルマを超えて北側まで足を延ばしました。

何を食べに行ったかというと、

クラテッロ・ディ・ジベッロってハムです。

あまり聞いたことないかもしれませんが、Culatello ってのは豚のおしりの部分なんです。

それを豚の膀胱の皮に包み縛ってカビさせる事で発酵・熟成を進ませるという製法をとってるのがここのハムづくりの特徴です。

お尻の部分は霜降りの甘さと赤身の旨みを併せ持つおいしい部位ですが、ハムとして作る場合に必要な皮が無いので、膀胱の皮で包み込み紐で縛って吊るすことになったそうです。

通常ハムを作る場合は標高の高い山間の場所で風を利用するのですが、クラテッロの場合はむしろ低地で川沿、湿度の高い所が適当とされます。

乾燥...というよりむしろカビる、ことによって熟成を進めさせるわけです。

こういう作り方をするのに最適な場所が、パルマ県の北西部、ポー川沿いにある付近で、

Busseto : ブッセート

Polesine Palmense : ポレージネ・パルメンセ

Zibello : ジベッロ

Soragna : ソラーニャ

Roccabianca : ロッカビアンカ

San Secondo : サン・セコンド

Sissa : シッサ

Colorno : コロルノ

8 つの村が Culatello di Zibello D.O.P ( 原産地保護呼称 ) として認定されていて、現在 22 の生産者がクラテッロを作っています

その工場を見に行く前に、腹ごしらえ 🍴

当然、クラテッロですよね。

行ったお店が、ジベッロ村にあるその筋の間では超有名なお店

TRATTORIA LA BUCA

Italy17 (164).jpg



その筋とはどの筋かというと、

ハムの生産者、有名イタリア料理店のシェフ、料理評論家の方々なんです。

お店はいたって普通の田舎のお店。

Italy17 (174).jpg

Italy17 (173).jpg



この日は地元の人たちがちょっとした寄り合いをやっていました

Italy17 (165).jpg



ここでいただいたのはもちろん、クラテッロ

Italy17 (167).jpg

Italy17 (169).jpg



こーんなに薄くスライスするんですよ

i-itaria17 (139).jpg



これで € 15

日本だといくらになるのかな?

写真を見るだけでもプロシュートとは違う、
鮮やかな赤身に程度にさしが入っているの、わかるかな?

ほんのりと甘みを感じ、口の中に入れたらとろけるような味わいは、
もうそれだけで最高

せっかく本場に来たので、薄切り一枚ずつ口の中に入れるんではなくって、
ガバッとまとめて入れたら...



至福の時を過ごせました


そして、ハムだけだとちょっと物足りないので、パスタはこれも名物のトルテーリ

それもこのお店のスペシャリテである、

Tortelli di zucca

カボチャを詰めたトルテーリ

Italy17 (171).jpg



カボチャの甘さがマッチしておいしいんですよ。

Italy17 (172).jpg



このお店のマンマがあみ出したそうです

この店に来て、クラテッロもそうですが、
このカボチャのトルテーリを食べないで帰ってはいけない...

ってニューヨーカー・マガジンにも紹介されていましたから

そんなこんなでおいしい伝統的な料理を食べた後は、お店の人にこの地下にある
クラテッロの貯蔵庫を見せてもらいました

Italy17 (175).jpg


イタリア最長のポー川までほんの数百メートル。

リグリア海からの適度に湿った風によって標高が高くもなく、低くもない絶妙な地域で作るプロシュートと違い、クラテッロは夏は蒸し暑く、冬は寒さも厳しくまた霧がよく発生するポー側のほとりの低地で作られます。

年間生産量が 13,000 個と数がとっても少ないのでなかなか世に出回らないんですよね。

そんなクラテッロ、イタリアでもなかなかお目にかかれないので、見つけたらまずは試してみてください。

とろけるようなこのハムは、病みつきになること間違いないでしょう。


お店
名前 : Trattoria La Buca
住所 : 43010 Zibello (PR) - ITALY - via Ghizzi 6
TEL  : 0524 99214
定休日 : 火曜日
URL  :
 http://www.trattorialabuca.com/english/trattoria.htm

ジベッロ村にある地元のローカルフードを食べさせてくれるレストラン。
田舎のレストランという感じですが、そこで提供される料理はどれも本物。
母から娘へ、そして孫へと代々受け継がれていくレシピは、昔ながらの伝統を守り味わい深いものです。
近くには観光地は全くないので、なかなか立ち寄る機会はありませんが、クラテッロを求めてここに来た際は是非立ち寄ってみてください。
日本の雑誌をはじめ、世界中のメディアなどにも取り上げられたことのある、有名店です。





関連ランキング:イタリアン | ベローナ





にほんブログ村 グルメブログ フードアナリストへ
にほんブログ村


  






posted by まいど! at 06:00| Comment(0) | TrackBack(0) | イタリアの食事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック