2016年03月08日

正統派ブイヤベースのお店


マルセイユの港の近くには、観光客目当てのブイヤベースを食べさせてくれるお店が数多くあります。

ブイヤベースってのはマルセイユの郷土料理で、いわゆる魚の煮込みなんですね。

ルーツはいろいろな説があるんですが...

📖 この辺りは漁師の町。

漁師の親たちが海に行っている間、いつも遊んでくれている貧しいおばあちゃんに何かしてあげたいと子供たち。
でも、漁師とてそんなに裕福ではありません。
そこで考えたのが、それぞれ家に行って売り物にならないようなお魚を各自一匹ずつ持ってきてそれを煮込んだ...


って話が個人的に僕は好きですね

あとは、

漁師たちが売り物にならない魚をひっくるめてゆでて、いわゆる 「 漁師メシ 」 って感じでみんなで食べていた...

とか。

で、あまりにも マルセイユ = ブイヤベース ってのが有名になりすぎて、観光客目当てにブイヤベース...なものを出すお店が増えてきました

そこで、何をするにも伝統を重んじるフランス、昔ながらの味を後世にも残そう...って大げさな話かどうかは分かりませんが、ブイヤベース憲章なるものを 1920 年にマルセイユ市が定めました。

それによると...

ブイヤベースの具材にする魚は地中海の岩礁に生息するものに限定し、海老類・貝類・タコ・イカは入れないものとする。

ということは、よく日本では 「 魚貝類の煮込み 」 なんて訳されたりしてますが、貝は入れてはいけないんですよ

でもたまにオマールエビなんかが入っているブイヤベースも見かけますが、それは煮込むときに入れるのではなくて、完成してからトッピングで追加する...というのはいいみたいですよ。

ということで、トマト風味ってのもあり得ないんですよ。

あとは、
具材として入れる魚は最低でも四種類以上とする。

ということでより複雑な味を出すということです。

出汁を取る小魚は決められた魚を使うこと。

ということで、地元の味を残していくってことなんですね。

最後に、
ブイヤベースは短時間で仕上げること。

ブイヤベース ( bouillabaisse ) の語源は
「 煮込む ( bouill ) + 火を止める ( abaisse )」 の合成語であるといわれており、まさに 「 短時間で強火で煮込む 」 スープ料理なのです。

あまり長時間煮込んでいくと、魚がもっているエグ味なんかもスープに溶けだしてくるそうなので、さっさと作りましょう


というわけで、あと、作り方やその他の材料にも細かな規定があるそうなんですが、その辺は置いといて...

今回いただいたお店は、しっかりと憲章を守ってるお店

Chez Fonfon

S_FRA (27).jpg



オフェールの入り江にあるこのお店は、観光地からはちょっと離れているので、地元の人たちが多いですね。

ミシュランのガイドブックにも載っているので、「 本物 」 を求めてやってくる観光客もちらほらいます。

S_FRA (25).jpg



レストランは 2 階建てで、窓が大きくとってあり陽光がたくさん入ってきて昼間は明るいですよ

白をメインでところどころ青が使われている海辺らしい店内。

まずテーブルについて飲み物注文した後、ボーイさんが本日使っているお魚...ということで持ってきてくれました

BUIYA.jpg



しばらくしたら、ブイヤベースのスープの部分をサーブしてくれました。

S_FRA (21).jpg



ブイヤベースってお魚のごった煮のような感じで出てくるのかなと思ったのですが、
格的なのはお魚とスープと別々に持ってきてくれるんですね。

このスープにカリッカリのクルトン的なパンに、ルイーユと呼ばれるにんにくマヨネーズのようなものをたっぷりとつけてスープに入れて、ふやかして食べるんですよ。

これがまた...

病みつきになって...

止まらん...

このお店のルイーユは二種類ありました。

一つはオリジナル、そしてもう一つはちょっとピリ辛バージョン。

スープには好みもあるけど、オリジナルバージョンが合うような気がしました。

そしてスープの次にお魚

S_FRA (23).jpg



おしゃれに盛り付けてきましたね

あ、ちなみに下にポテトがひいてあるんですが、ポテトはお魚と一緒に茹でたらだめなんですよ。

別茹でです。

お魚を一口食べたらちょっとぱさぱさ感があったので、先ほどのスープをひとかけすると食べやすくなりました。

また、味が若干薄目だったので、先ほどのルイーユピリ辛バージョンをちょっとつけると味に変化が出ておいしかったです。

この食べ方、邪道かどうかはわかりませんがね。

あと、今回はやらなかったんですが、これに昆布だししょうゆをちょっと垂らすとおいしくなるかもしれませんね

魚のイノシン酸と昆布のグルタミン酸が合わさってうまみの相乗効果が生まれるはずです。

また出汁にも干しシイタケを使ったら、グアニル酸も追加されてより一層...って
ここまでしたら和食になりますね。

ということは、和食ってすごいんですね...

と変なところで感心してしまいましたが、昔ながらの伝統を守ってるブイヤベース。

観光客がよくいくようなところでは、魚は冷凍、スープはインスタントってところがほとんどなのだそうです。

ま、それが悪いとは言いませんが、
まずはやはり 「 本物 」 がどんなものかを知らないとね。

そんなわけで、元大衆料理のブイヤベース、現在は高級料理へとなってしまったものをいただきました。

最後にデザートをいただいて...

S_FRA (24).jpg



楽しいひと時を過ごさせていただきました


お店
名前 : Chez Fonfon
住所 : 140, Vallon des Auffes – 13 007 Marseille
TEL  : 04 91 52 14 38
営業時間 : 12:00 〜 14:00 / 19:00 〜 22:00
URL  :
 http://www.chez-fonfon.com/

現代風な外観は、店内も料理もおしゃれでセンスがよく、ここのスペシャリテであるブイヤベースもおしゃれに出てきますが、そこは伝統を重んじるフランス。
ブイヤベース憲章にのっとってしっかりと手間暇かけて調理しています。
伝統的なブイヤベースをおしゃれな空間でいただくことができます。



Chez Fonfon

昼総合点★★★★ 4.5



関連ランキング:フレンチ | マルセイユ




にほんブログ村 グルメブログ フードアナリストへ
にほんブログ村


  






posted by まいど! at 06:00| Comment(2) | TrackBack(0) | フランスの食事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
スープと具材が別々にサービスされる理由が分かりました。
勉強になります (^O^☆♪
Posted by 添てん at 2016年03月09日 08:55
>添てん さん
お店によっていろいろとこだわりがあるそうなんですが、このお店はそういうシステムなんだそうです。
Posted by まいど! at 2016年03月10日 06:52
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック